- タロット占いをひと言で言うと?
- タロット占いとは、78枚のカードの象徴を使って『今の自分の心の状態』と『これから選べる道』を読み解く占いです。
未来を当てるというより、カードを通して自分の本音やテーマを知り、選択を助けるための占術です。
タロットは占いが初めての方でも、自分の心と対話するきっかけとして使うことができます。

「当たるの?」「悪いカードが出たら怖い…」
そんなふうに少し身構えてしまうと、タロットを始めるのって勇気がいりますよね。
この記事は、そんな疑問や不安を持つ方に向けて、タロットとは何か/当たる理由/歴史/やり方までを、最初に押さえておきたい全体像としてまとめたものです。
【超基本】タロット占いとは?

タロット占いは、質問を立てて、カードを引き、その絵柄(象徴)を読み解きます。
それぞれのカードに描かれた象徴的モチーフが、『いまのあなた(質問主)』を映し出し、心の奥にある不安や願いを静かに言葉へと変える助けをしてくれます。

重要なポイントは、カードを引く行為よりも、そこに描かれた象徴を自分の状況に照らして理解するプロセスそのものがタロットであるという点です。
タロットカードは『大アルカナ』と『小アルカナ』合計78枚で構成されています。
では、タロット占いで「何ができて、何はできないのか」。まずはその違いから明確にしていきましょう。
【未来予知ではない】タロットが人生の選択肢を示す『心の鏡』である理由

タロットカードは、いまのあなたが『どう生きたいか』を選ぶために、心と向き合い『今を整える』ための『心の鏡』です。
未来は固定されたものではなく、あなたの『選択』によって絶えず変化するものです。
タロットカードは、その未来を変えるために『今、何に気づき、何をすべきか』を静かに映し出す、あなた専用の羅針盤として機能します。
そのため、タロットには『できないこと』があります。
この境界線を明確にすることで、タロットが持つ真の価値と役割が見えてきます。
- 今の心の状態やテーマを整理し、行動の『原因』を突き止める
- 過去~現在~近い未来の『因果の流れ』を理解し、進むべき方向を見定める
- 本音や本当の望みを言語化するのを助け、次の『選択肢』を明確にする
- 長期的な出来事を確定させる『予言』(例:5年後の結婚、特定の災害)
- 誰かの気持ちを100%言い当てたり、他人の行動を操作すること
- 努力や選択をせずとも『良い未来』を保証すること
ここで大切なのは、タロットが扱うのは『未来そのもの(出来事の結果)』ではなく、いまここにある心の状態(原因)と、その延長線上に生まれていく流れだという点です。
【かんたん実践】今日からできる! タロット占いのシンプルな手順とやり方

タロット占いは、
①質問を立てる → ②カードを選ぶ → ③象徴を読み解く
という、とてもシンプルな流れで成り立っています。
まずはこの3つの手順だけ押さえておけば、難しい知識がなくても十分占えます。
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手順1.質問を決める
いま本当に知りたいことを、一文でまとめます。
(例:「この状況で大切にすべき姿勢は?」「今の私のテーマは?」) -

手順2.カードを選ぶ
シャッフルやカットの方法に決まりはありません。「このカードだな」と自然に感じたものを選べば大丈夫。
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手順3.絵柄を読む
人物・色・動き・雰囲気など、描かれている象徴がいまのテーマや気持ちを静かに映してくれます。
多くの方が、「カードの意味を覚えないとできない」「絵が難しそうで怖い」と感じがちですが、実はタロットは正しくやらなきゃいけない占いではありません。
まずは1枚だけ引いてみて、その絵を見て感じたことを言葉にしてみる。それだけで十分に深い気づきにつながります。
おすすめアクション:まずは 1行だけ ジャーナルをつける

タロット占いは、続けるほど気づきが深くなります。
そのためにオススメなのが 『1行だけのジャーナルログ』です。

ジャーナルログは占いの結果などをメモしたものです。
- 今日の質問
- 出たカード
- 最初に感じたこと
この3つだけでも十分ですので、ぜひ取り入れてみて下さい。
【他の占いとの違い】タロットが『心の鏡』と呼ばれる理由

占いは大きく分けて『命術(めいじゅつ)』『相術(そうじゅつ)』『卜術(ぼくじゅつ)』の3種類があります。
タロット占いは『卜術』に分類されますが、他の卜術や命術と比較して決定的な違いがあります。
これは、タロットが生まれたヨーロッパ文化『ルネサンス』がもつ世界観の構造に深く関係しています。

中央のプラトンが天(本質)を指し、アリストテレスが地(現実)を示している構図は、タロットの哲学にも深く通じています。
ルネサンスの自然哲学では、世界は『中心(本質)・外側の出来事(現象)・その間をつなぐ力(精霊)』という三層で成り立つと考えられていました。

ざっくり言えば、
- 目には見えない本音(中心)
- 実際に起きている出来事(外側)
- それらを行き来させる動き(精霊)
という三つのレイヤーで世界を理解する考え方です。
そして興味深いことに、タロットカードの構造はこの三層と驚くほど対応しています。
- 大アルカナ=中心(本質/人生のテーマ)
- 小アルカナ=外側の出来事(日常の動き・感情の細部)
- 読み解き=精霊(本音と出来事をつなぐ心の動き)
つまりタロットが心の鏡と呼ばれるのは、本質・現象・心の動き、この三つを同時に映し出す仕組みを持っているからなのです。
命術(星占いなど)との役割の違い:宿命ではなく『選択肢』を読む

命術(生年月日などで占う占術)は、持って生まれた宿命や性質、人生の大きな流れを読み解くのに長けており、変わりにくい軸を知るための羅針盤です。三位一体論で言うと中心(本質)にあたります。
| 比較項目 | 命術(星占い等) | タロット(ト術) |
|---|---|---|
| 役割・得意分野 | 変わりにくい「宿命」 生まれ持った性質・傾向や、人生の長期的な流れを見る。 |
変えられる「選択肢」 今の状況や気持ち、直近の未来を変える行動を見る。 |
| 地図での例え | 全体的な地形・ロードマップ人生の地図を全体的に俯瞰して、中長期のロードマップを導き出す。 | 現在地・天気・羅針盤地図上での現在地に着目し、そこから「どんな道を選べるか」という短期的な意志と因果を導き出す。 |
| 得られる答え | 「あなたにはこういう傾向がある。進むべき方向はこちら」 | 「その傾向を持つあなたが、今とるべき行動はこれ」 |
命術が「あなたはこういう傾向がある」と示すのに対し、タロットは『この傾向を持つあなたが、いま取るべき行動の選択肢』を示唆します。
タロット占いの有効期限は、『3ヶ月〜半年』程度と言われています。
命術が『地形(変わりにくい宿命)』を見るのに対し、タロットは『直近の天気(今の状態と流れ)』を読むからです。半年もあれば、あなたの選択次第で未来はいくらでも書き換えられます。

実際の鑑定でも、同じテーマで数ヶ月後に引き直したら、カードの流れがまるで違っていた、というケースは珍しくありません。
相術(手相・風水など)との役割の違い:外側の『現象』ではなく『心の原因』を読む
相術は、目に見える形や環境(相)から、その人の状態や運勢を読み解きます。三位一体論で言うと、表面(現象)にあたります。
| 比較項目 | 相術(手相・風水等) | タロット(ト術) |
|---|---|---|
| 見る対象 | 目に見える「形・環境」 手相、人相、部屋の配置など、すでに形として現れているものを読む。 |
目に見えない「心・無意識」 本音、恐れ、願望など、形になる前の心の動きを読む。 |
| 現象との関係 | 外側の「結果・現象」「今、こういう状態(相)が出ている」という、表面化された事実へのアプローチ。 | 内側の「原因・プロセス」現象として現れる前段階にある「心の原因」へのアプローチ。 |
| 役割の違い | 「現状の姿から、運勢や状態を 診断・確認する」 |
「現状を変えるために、心の状態(原因)を整える」 |
タロットが『心の鏡』と呼ばれるのは、現象が変わる前に心の状態を整えるための道具として機能するためです。
それぞれの占術は、人生を照らす角度が違います。他の占術との違いを知ることが、その鏡を澄ませる第一歩になります。

電話占いなどで占術を選ぶときも、「長期的な人生の流れを知りたいなら命術」「今この状況でどう動くかを知りたいならタロット」といったように、それぞれの役割の違いを知っておくと、自分に合った相談の仕方が選びやすくなります。
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【タロットの全構造】大アルカナと小アルカナの関係や違い

カードに描かれた図像は、時代の宗教観や寓意画のモチーフ、四大元素の哲学など、人類が長い時間をかけて育ててきた『心の象徴体系』を背景にしています。
大アルカナ:魂の旅を描く22枚の物語
大アルカナは、0番《愚者》から21番《世界》までの合計22枚で成り立っています。
これは単なる順番ではなく、気づき → 揺らぎ → 変容 → 統合と進んでいく、人間の内面の成長プロセスそのものを一つの旅物語として表現しています。
この旅は、以下の4つのステージで構成されます。

まだ形にならない衝動や、純粋な魂の意志。

能力を使い始め、社会の中で揺らぎ、手放し、学ぶ。

大きな転換、喪失、再構築。

癒し、希望、理解、そして完成へ。

人は一度この旅を終えても、また別のテーマで再び旅に出ます。
大アルカナの旅が 螺旋構造(スパイラル) と言われるのはそのためです。
大アルカナ一覧






















小アルカナ:四元素で日常を読み解く56枚
小アルカナは 火・風・水・地の四大元素 を基本に構成されています。
それらの要素を、人間の行動・思考・感情・物質世界を整理するための普遍的な枠
組みとして対応しているのが小アルカナです。
小アルカナ【ワンド】一覧
小アルカナの『ワンド(棒)』は、火のエレメントに属し、『自我』を司ります。

ワンドが映し出すのは、新しいことを始める情熱、やる気、自己実現への衝動など、『前に進もうとする力』です。
行動力として現れる一方で、出過ぎると『自分本位』『強引さ』として顔を出すこともあります。














小アルカナ【ソード】一覧
小アルカナの『ソード(剣)』は風のエレメントに属し、『思考』を司ります。

ソードが映し出すのは、言葉や考え方、判断力、コミュニケーションなど『頭の使い方』に関することです。
問題を冷静に分析する力でもあり、考えすぎると不安や葛藤として表れやすい領域でもあります。














小アルカナ【カップ】一覧
小アルカナの『カップ(聖杯)』は水のエレメントに属し、『感情』を司ります。

カップが映し出すのは、喜び・悲しみ・愛情・共感といった『心の動き』そのものです。
人とのつながり、癒し、芸術的なインスピレーションなど、目に見えない心の世界を知るきっかけになるでしょう。














小アルカナ【ペンタクル】一覧
小アルカナの『ペンタクル(金貨)』は地のエレメントに属し、『物質世界』を司ります。

ペンタクルが映し出すのは、お金や仕事、健康、生活環境など『形になっている現実』です。
収入や成果だけでなく、コツコツ積み上げてきたスキルや経験といった、土台となる部分も含まれます。














人生という旅の中で、どの地点に立ち、どんな流れの中にいるのかを教えてくれる大アルカナに対して、小アルカナは、その流れの中で起きている日々の出来事や心の揺れを映し出します。

誰かとの関わりで生まれる葛藤や、ふとした喜び、気づき、そうした細やかな変化をていねいに拾い上げ、どんな感情を整理しようとしているのかをそっと教えてくれる存在です。
【心理学から見る】タロットが「当たる」と感じる理由

タロットが当たると感じる理由は、心理・確率・宗教的儀礼が重なるからです。
「なぜ私の気持ちがわかるの?」と不思議に思うかもしれませんが、その背景には、私たちの脳と心の仕組みが深く関係しています。
タロットの絵柄は、言葉になる前の「無意識」に直接アクセスするスイッチのようなものです。
偶然引いたカードになぜ心が強く反応し、深く納得してしまうのか。そのメカニズムを解き明かす鍵となるのが、深層心理学の視点です。
ユング心理学:元型(アーキタイプ)に触れると、心が先に反応する
タロットの絵柄は、ユングが提唱した 元型(アーキタイプ)=人の深層にある普遍的な象徴を視覚化したものです。

タロットの絵柄に共通する「元型(アーキタイプ)」という概念を提唱したスイスの精神科医。彼の理論は、占いがなぜこれほどまでに人の心深く響くのかを紐解く、重要な鍵となっています。
- 王 (The King)
- 社会的な権威、父性、秩序の象徴。
タロットでは「皇帝」や各スートの「キング」に投影されています。 - 母 (The Mother)
- 無条件の愛、育成、あるいは過干渉などの母性。
「女帝」や「女教皇」などがこの役割を担います。 - 死 (Death)
- 物理的な死ではなく、物事の終わりと強制的な変化。
「死神」のカードそのものが持つ、避けられない変容のイメージです。 - 再生 (Rebirth)
- 一度終わったものが、新しい形で蘇ること。
「審判」や「塔」の後の崩壊から立ち上がるプロセスを表します。 - 旅立ち (Departure)
- 未知の世界へ飛び出す衝動や、英雄の旅の始まり。
「愚者」や「戦車」が持つ、前進するエネルギーです。 - 光と闇 (Light and Shadow)
- 意識(光)と無意識(闇)、あるいは希望と不安。
「太陽」と「月」、または「悪魔」のような心の影の部分を指します。
こうした象徴は、国や文化、そして時代を越えて人の心の奥に共通して存在しています。

ユング心理学に基づけば、カードを見たときに「このカード、今の私みたいだ」と感じるのは自然な現象であり、無意識が象徴に反応し、あなた自身への理解が動き始めると考えられます。
このように象徴は、心の深い場所に直接触れます。
すると次に起きるのは、自分の内面を鏡のように見る体験です。
無意識の『原因』と『答え』を映し出す鏡としてのタロット

現実で起きていることには、必ず 原因(過去の選択・感情・恐れ) があります。
タロットは、その原因側を象徴として可視化する道具です。
- なぜ苦しいのか
- どこに引っかかりがあるのか
- 本当はどうしたいのか
ここで浮かび上がる原因の多くは、心理学的には インナーチャイルド(幼い頃に形成された価値観・恐れ・反応パターン) と呼ばれる領域と深く結びついています。
人は、幼少期に身につけた 感情処理のクセ を無意識のまま大人になっても繰り返します。
タロットの象徴がそれを表面化させることで、「ああ、私はこの反応パターンのせいで苦しかったんだ」という原因への気づきが起こります。

言葉にならなかった想いがカードに現れ、あなたは「すでに自分の中にあった答え」 に気づくことが出来ます。そして答えとなる原因が見えた瞬間、未来は当てるものではなく、選べるものに変わるのです。
原因が見えると、次に人はどこに位置しているかを知りたくなります。
そこで働くのがタロットが持つ『物語構造』です。
意識の断片が『物語』としてつながる
タロットはただの絵柄ではなく、大アルカナの22枚が『愚者 → 世界』という成長物語を持っているという点が、大きな特徴です。
自分の状況とカードの物語が重なると、ばらばらだった感情や出来事が一本につながり、
「ああ、私は今ここにいるんだ」 と深く腑に落ちる。これが当たっている感覚を生む、静かな瞬間です。
ここまでが、タロットが当たる土台の仕組みです。
因果(原因と結果)が腑に落ちると人は安心する

タロットの本質は、因果論(過去の原因 → 現在の結果 → 未来の流れ)を読み解く点にあります。
今起きている心の葛藤などは、無意識の原因があると気づけた時、人は不安ではなく安心と納得を感じます。

長く抱えていた無意識の原因ほど、気づけたときに、涙が出るほどホッとする、という方もいます。当たっていると感じる瞬間とは、心が整い、理解と安心が同時に訪れたときのことなのです。
偶然を『意味ある偶然(シンクロニシティ)』として経験する
カードをシャッフルしてランダムに引いたにも関わらず、カードに意味が出るのは『心が意味を選ぶ』からです。
ユング心理学ではこれを意味ある偶然の一致(シンクロニシティ)として説明しました。
- 原因と結果の連鎖だけでは全ての現象を説明できない
- けれど、その人にとって意味がある一致が起きる
タロットは、このシンクロニシティの体験を最も理解しやすい形にしてくれる道具であり装置です。
【誕生と進化】王侯貴族の絵札からウェイト版で『心の羅針盤』になるまでの歴史

タロットカードは、はじめから占いの道具だったわけではありません。
タロットの原型は、14〜15世紀のヨーロッパで、王侯貴族たちが自分たちの人生や価値観を描かせた豪華な絵札にあります。

15世紀にミラノ公爵家が画家に描かせたとされる現存する最古級のタロット。当時の貴族の自意識が強く反映されています。
そこに封じ込められていたのは、当時の人々が抱えていた願いと恐れでした。
- 愛に対する憧れ
- 正義への期待
- 富・貧困の不安
- 生と死のはざまを生きる実感
それは、単なる装飾ではなく、貴族の人生観・徳・価値観を象徴化したもの。タロットの歩みは、ここから静かに始まります。
ルネサンス期──象徴が『人の心を語り出す』技法へ
15世紀のヨーロッパでは、人間の心や自然の現象を『象徴』を通して理解しようとする考えが広がっていました。これが、当時の学問である自然哲学です。
(※自然哲学=ざっくり言うと、自然と人間の心は同じ原理で動いていると考える学問)

この世界観では、
- 中心(本質)
- 外側の現象(出来事)
- その間をつなぐ力(霊・精)
という三層構造で世界を捉えていました。
この考え方は、タロットカードに描かれる象徴的な絵柄に対する意味づけの土台にもなっています。
- 大アルカナは『本質・人生の大きなテーマ』
- 小アルカナは『日常の出来事や心の動き』
- スート(ワンド・カップ・ソード・ペンタクル)は『気質や力の質(四元素)』
このように、タロットカードのシンボルは、自然哲学的な世界の見方から強く影響を受けていることが伺えます。
さらに、当時の医学である四体液説(人の気質を血・黄胆汁・黒胆汁・粘液という4つの体液のバランスで説明しようとした理論)もカード体系に取り込まれています。

四体液説では、「血液・黄胆汁・黒胆汁・粘液」のバランスが、人の気質や体質を決定すると考えられていました。この「四気質」の思想は、タロットの「4つのスート(ワンド・カップ・ソード・ペンタクル)」の構成原理にも深く影響を与えています。
四体液説は四大元素(火・風・水・地)と対応させて人の性質を理解しようとしたもので、スート体系の背景にある古い思想として扱われています。

これらのことからも分かるように、タロットの象徴は単なる占いの絵柄ではなく、当時の人々が世界を理解しようとして生んだ思想の写し鏡なのです。
19世紀──神秘学と心理の体系がタロットを再定義する
19世紀末、タロットはもう一度、大きく生まれ変わります。神秘学団体『黄金の夜明け団(Golden Dawn)』が登場し、タロットを体系化しました。

ウェイト版タロット誕生の背景にある西洋魔術結社「黄金の夜明け団」で使用されていたシンボル。カバラや占星術の要素が統合されており、タロットの色彩や構成にもこの理論が応用されています。
- タロット
- 占星術
- カバラ
- 四大元素の法則
- 1~10の数に宿る心理構造
黄金の夜明け団の研究により、カードの裏側にある心のしくみが整理されていきます。

この再構築は、のちにユング心理学の元型(アーキタイプ)と結びつき、タロットカードは 『無意識の言語』という現代的な姿を帯びはじめます。
1909年──ウェイト版が『心の鏡』としてタロットを完成させる

そして1909年。アーサー・E・ウェイトと画家パメラ・コールマン・スミスによる『ウェイト版(RWS版)タロット』が刊行されます。

アーサー・E・ウェイトは、「黄金の夜明け団」の教義を元に、タロットを『心の鏡』へと昇華させました。彼の理論があったからこそ、現代のタロットはこれほど深い心理描写が可能になったのです。
- 全78枚を『情景』として描いた
- 感情と出来事の流れが読みやすくなった
- 物語として理解できるようになった
ウェイト版の革新は、まさに決定打でした。タロットはここで初めて、未来を当てる道具ではなく、自分に戻るための鏡として完成しました。

タロットの歴史は、人が心をどのように見つめてきたかの記憶そのものです。だからこそ、時代を越えて心に触れることができるのです。
【タロットの本質(まとめ)】タロットを『人生の羅針盤』として使いこなすために

タロットは、心の奥にあるテーマを静かに可視化し、日常の選択を整えるための道具です。
ここまで説明してきた 象徴と心理のしくみが実際の人生にどう作用するのかを、3つのプロセスに整理してまとめます。
なぜ苦しいのか、どこに引っかかっているのかという『過去の原因』が明確になります。
原因と結果のつながりが腑に落ちることで、漠然とした不安が軽くなります。
現在地が理解できると、「本当はどうしたいか」という本音が立ち上がり、新しい選択肢が見えるようになります。
自分でタロットカードの意味を調べながら占うだけでも、心の整理は大きく進みます。
少しずつ気づきを行動に移していくことで、心が軽くなり、より自分らしい人生へと進んでいけます。

未来はいつでも変えられます。
タロット占いは決して怖い占いではありません。一見ネガティブに見えるカードの意味も、『長い人生の流れを整えるための大切な気づき』です。
そして、カードの象徴を理解するほど、読み解きの深さは確実に変わっていきます。
まずは基本の意味を押さえて、自分のペースでぜひタロットとの対話を楽しんでくださいね。
【Q&A】よくある誤解と正しい理解
Q.タロットカードの意味がたくさんあり過ぎて覚えきれません
A.解説本や当サイトの記載されている意味よりも、自分の直感を優先して問題ありません。
タロットカードの意味は「固定された答え」ではなく、そのカードが持つテーマを、状況に合わせて読み解いたものです。解説本や当サイトのカード意味一覧は、「正解を見るため」ではなく、自分の直感で受け取ったイメージを補足してくれるヒント集として使ってみてください。
Q.大アルカナしか持っていませんが占えますか?
A.問題ありません。細かな動きを占いたい場合にはトランプを活用すると良いです。
大アルカナが大きな流れを読み解くので、基本的には問題ありません。細かな流れを知りたい場合には、トランプを小アルカナとして活用する方法があります。
- ワンド → クローバー
- ソード → スペード
- カップ → ハート
- ペンタクル → ダイヤ
それぞれ置き換えて読み解くことで、小アルカナと同じように使うことが出来ます。
Q.怖いカードが出たら、悪いことが起こるのでしょうか?
A.ネガティブなテーマは気づきを促す成長のサインです。
カードの中にある意味を読み解いたときに、一番ネガティブに反応したことが気づきとなります。ネガティブな感情に向き合うのは時に辛い時もありますが、向き合う事で心が軽くなります。
例えば『死』これは終わりと同時に再生の準備を指します。また『塔』は現実が壊れるとか大切な人との関係が終わるかもと不安になりがちですが、これはより良くなる為に避けて通れない『これから不要になっていくものの崩壊』と捉えると怖くなくなります。
つまり新しい道を切り開く衝撃と捉えることが出来ます。
Q.タロット占いはどのくらい先の未来まで分かりますか?
A.一般的には『3ヶ月〜半年先』までが目安です。
タロットは『今のあなたの行動が作り出す因果』を読むため、あなたの行動が変われば未来も変わります。だからこそ、タロットは『当てる』よりも『選ぶため』に使う占術です。
Q.自分で占っても、客観的な結果が得られるのでしょうか?
A.どうしてもしんどい時は、つい願望に引きずられてしまう場合があります。
そういった場合にはジャーナルログを活用すると良いでしょう。文字にする事で、今の問いに対する答えを落ち着いて読み解け、本当に望んでいることは何か、本当は嫌だったことは何かなどが見えてきます。
そうすることで、結果的に自分自身を客観視することが出来ます。
Q.タロットは自分で占うのと、占い師さんに見てもらうのでは何が違いますか?
A.自分で引くタロットは『セルフケア・内省向き』、プロに見てもらうタロットは『絡み合ったテーマの整理』に向いています。
自分一人だとどうしても願望や不安に引っ張られやすい場面で、第三者の視点から因果関係やテーマを整理してもらえるのがプロの役割です。
本文中で触れた歴史・象徴・心理学・文化人類学的要素は、一次資料および主要研究書をもとに再構成しています。
引用や解釈に関しては、象徴体系・深層心理・神話学の文脈に沿った独自の視点を含みます。
- C.G. Jung(著)『元型論』
- C.G. Jung(著)『続・元型論』
- Hippocrates(著)『古い医術について』
- 井上教子(著)『タロットの歴史』
- 中野隆生・中嶋毅(共編)『文献解説・西洋近現代史』
- Seligmann, K.(クルト・セリグマン)(著)『魔法―その歴史と正体』
- Dawson, G.(著)中村心護(訳)『黄金の夜明け団の数秘哲学』
- Bradshaw, J. 『インナーチャイルド — 本当のあなたを取り戻す方法』
- 中村姿乃(著)『歴史や物語から楽しむあたらしい植物療法の教科書』
- 高野陽太郎(1996)『負のプライミング効果の解除に関する実験的研究』KAKEN研究報告書
- 神社本庁『お参りの作法』
- 國學院大學博物館(2023)『祓 ―儀礼と思想―』展示図録





















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