曖昧のススメ　‐柔らかい思考でラクに生きる‐

「私、白黒ハッキリつけたい性分なんです」…そう仰るご相談者様が実に多い。

いや、もちろん、白黒つけたいからこそ、悩みつつも占いを一つの気付きの方法として選択されているわけなので、それは当然と言えば当然のことなのですが…。

とはいえ、ご相談者様とお話しさせて頂いていると、「とても生き辛い思いをされているな…」と感じることもしばしば。

今回は、そうした事柄に少しでもお役に立てればと思い、書かせて頂きます。

そもそもナゼ心は白黒つけたがるのか？

「彼は私のことをただの友達としてしか見てないのかな？」
「付き合ってはいるけれど、本当は愛されていないんじゃないのか？」
「彼は密かに別れたいと思っているかもしれない？」

恋愛相談において、やはり、気になるお相手の気持ちをメインにご質問されるご相談者様が多いのですが、きっと、こうした気持ちを抱えてご依頼頂いているのだと思います。

何故、このような気持ちになってしまうのか？というと、ご相談者様ご自身が信じていた方向性、もしくは、希望があると見立てた方向性にそぐわないようなお相手の言動があったからでしょう。

或いは、そうした明確なものはなくても、ある種の違和感を感じ取ったからかもしれません。

そのような「矛盾」を感じ取ってしまうと、大なり小なりストレスが発生します。
なぜなら、「脳」が回答を導き出せないこととして認識してしまうからです。

分からないことに対してストレスを感じるのは当然であり、至極自然なことなのです。

だけど、人によっては、そのストレスで心を疲弊させるくらいのダメージを受けてしまいます。

相手の気持ちが分からなければ、自分がどう行動して良いか分からない。だから、考えても分からないことを考えてしまい、疲れてしまっても考えることを止められない…それは、本当に辛いこと。

なにより、それが、ご相談者様の単なる思い過ごしや勘違いだったり、過去の経験に起因した過度の不安だった場合、必要以上に自分自身を追い込んで苦しんでおられる姿が本当に痛々しいと、お話していて思うのです。

「プロセス」を重視する女性と「ゴール」を目指す男性

男性と女性で恋愛のご相談に違いがあるか？というと、実は、あるんですよ。

どこに違いが出てくるのかと言えば、どこに重点を置いた話になるか？であり、つまり、それは結果的に話の流れにも違いが出てきます。

女性のご相談者様の場合は、先にも記した通り、相手の気持ち中心になりがちです。もちろん、今後の展開についてもお話はしますけれど、ご自身が思っているよりも長期的な展開だった場合は、早急な展開を求める傾向が顕著です。

そして、再び、相手の気持ちについて、更に深く掘り下げてご質問される流れになります。つまり、今後よりも現在の相手の気持ちが気になる傾向が強いと言えます。

次に男性のご相談者様の場合ですが、相手の気持ちもお話しますが、重点的になるのが今後の展開と対応策についてです。時期的なことやタイミングに加え、相手の傾向やその時の状態から、何が効果的でどうすれば成功するのか、について詳しくご説明する流れになります。

相手の気持ちについては、あまり詳しく掘り下げてご質問されることは滅多にありません。つまり、現在の相手の気持ちよりも今後の展開並びに方法論重視といった傾向が強いと言えるでしょう。

上記の事柄は、実は、男性脳と女性脳の相違という観点からも言えることでもあります。そもそも男性は、好きな女性とどうしたら付き合えるか（結婚できるか）、というゴール追求型の思考をします。

それに対して女性は、もちろんゴールも大事だけれど、そこに到達するまでのプロセスに重きを置く、プロセス重視型の思考をします。

男性にとっては、ゴールを目指す過程での曖昧さやグレーゾーンに対するストレスは大した問題ではなく、女性にとっては、ゴールを目指す過程で発生するストレスは看過できないものなのでしょう。

…と、そんな理屈を並べ立てたところで、分からないことに対する不安やストレスを感じなくなるかといえば、決してそんな簡単なものではありませんね。

だけど、「白黒ハッキリさせたい」、「答えを出したい」、そんな気持ちのあまり、相手に詰め寄ってしまったり、気持ちを確かめようと試す行為に走ってしまったら…場合によっては、事態が更に複雑になってしまう可能性が大いにあります。

白と黒以外の選択肢

例えば、不安な気持ちにケリをつけるために、相手と正面切って話し合ったとしましょう。

誤解や少しのすれ違いだった場合、それで解決することもありますが、いくら話し合っても平行線で答えが出ないことだってあります。

それでも、相手が真摯に向き合う姿勢を見せてくれたり、相手の気持ちや努力が伝わってきたら、それだけで救われた気持ちになれたりするものですけれど、結局は白黒つかないことに変わりはありません。いずれ、また、痺れを切らして話し合いを求める展開が目に見えるようです。

それならいっそ、白黒つけることをやめる方向性にシフトしてみるのはいかがでしょうか。

この世の中には、白黒つかないことや答えの出ないことが山ほどあります。人の心だってそうです。

「会いたいけど、会いたくない」「連絡したいのに、したくない」「信じたいのに、疑ってしまう」等々、相反する気持ちを抱えたりしますよね。

ご相談者様の中には、相手の気持ちは好きか嫌いかハッキリ知りたがるのに、「貴方は彼のことを好きなのですよね？」と聞くと「分からない」と答える人もいます。

ご自身に気がありそうに思えるから好奇心で知りたいのか、それとも、好きという気持ちを認めるのに躊躇しているだけなのか、私は深く問いかけることをしませんけれど、誰もがきっと同じように相反する気持ちを抱えているのです。

そこをいくら掘り下げようとしても、答えが出ない時は出ません。それならば、白黒以外の色があるだろうと考えてみる！その時の答えは、グレーであったとしても、そのグレーを経ることで白なのか黒なのか、いずれ答えが出る時が来るからです。

ところで、曖昧でいることは、一番初めに述べたように、ストレスがかかる状態になって辛いのではないか？と思いますよね。仕方なく曖昧な状態でいると、確かにそうかもしれません。

ですが、「答えを出さない」という選択肢、つまり、「あえて曖昧でいる」という選択肢を自ら選び取ることで、自分自身を肯定する事ができ、結果的にはストレスの抑制にも繋がるのです。

曖昧を選ぶためのポイント

「あえて曖昧でいる」という選択肢を受け入れる為のポイントは2つあります。

ポイント1「物事を多方面から見るように心掛けよう！」

白黒つけたがる人の特徴として、物事を見る視点が一方向に限られてしまいがちです。ご自身の視点に拘らず、相手の視点に意識を向けてみましょう。

ここで勘違いしがちなのが、「私は相手の気持ちばかりを考えている」と思ってしまうことです。

それは、「あなたの視点から相手の気持ちを考えているに過ぎない」ということを理解しましょう。

ご自身の言動を映画でも見るように相手の視点から想起してみることにチャレンジすることで、何かしら問題点が見えてくるかもしれません。

それができたら、今度は、二人を取り巻く友人などの第三者の視点から相手との関係を見ることもやってみましょう。

そうすることで、客観的な視点から現状を見ることができるようになり、答えは幾つもあるんだということに気付くことができますよ。

ポイント2「決めつけることは避けよう！」

物事には、色々な可能性があります。あなたがこれまでの人生で培ってきた経験や知識だけが世界の全てではありません。人それぞれ、誰一人としてかぶることのない唯一無二の存在であることを受け入れる努力をするのです。

そうすれば、「答えは自分の中に無いかもしれない（もしくは、今はまだ無いのかもしれない）」という可能性に気付けますよ。

そして、その可能性に気付くことができれば、無いものを導き出すことにエネルギーを費やすよりも、今後に得る可能性のある答えのために今できることをやろうと思えるようになるでしょう。

それが、いわゆる「ポジティブ思考」であり、無駄なストレスを遠ざけることに繋がります。

まとめ

白黒つけたがる方や早急に答えを求めようとする方…曖昧な状態でいるということは、慣れない内はなんとも気持ちの悪いものかもしれません。

ですが、もしも、曖昧な状態を受け入れることができたなら、または、答えを先延ばしにすることができたなら、ストレスは軽減されてラクになる上に、きっと色々なことが見えてきますよ。

コインを投げて裏か表かを決める、という選択肢以外に、コインを投げない選択肢をあえて選んでみるのも一つの答えであるに違いありません。

どうか、皆さんが少しでもポジティブに困難を克服できますようにと願わずにはいられません。

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占い師インタビュー：南雲エマ先生